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お薬コラム
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更新日:2022/12/17
薬用リップはこうやって選ぶ!有効成分や保湿成分を踏まえたおすすめ製品を紹介

「薬用」とかいてあるリップクリームは種類が豊富に揃っていて選ぶのが楽しいですよね。

ただ「薬用リップクリームはなんとなく効果が高そうだから」とぼんやりしたイメージで選んでいませんか。

そもそも薬用と書かれている医薬部外品のリップクリームは、医学的な有効成分が含まれることで唇の荒れなどを予防する効果が期待されますが、製品によって含まれる有効成分や保湿成分はそれぞれ異なっています。

このコラムでは、代表的な有効成分の説明や、一緒に含まれる保湿成分なども踏まえた選び方のポイント、そしておすすめ製品についてご紹介させていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

医薬部外品のリップクリームとは?

唇に潤いを与えるだけでなく、炎症を抑える成分、血行を促進する成分などといった厚労省が認めた「有効成分」が含まれています。
同じく有効成分を含む医薬品のリップクリームとの違いは、医薬品のリップクリームが口唇炎や口角炎といった、病気の「治療」を主な目的としているのに対し、医薬部外品のリップクリームは症状の発症を「防止」する目的で使用されるところにあります。
唇の荒れ・乾燥・ひび割れを防ぐ、唇にうるおいを与えるなどの効果があり、製品によっては「薬用(リップクリーム)」と記載されていることもあります。
販売者に対する制限がないため、薬局やドラックストアだけでなく、コンビニやスーパーなど、身近な場所でも購入が可能です。

含まれる有効成分とは?

医薬部外品のリップクリームに含まれる、代表的な有効成分をご紹介させていただきます。

・グリチルレチン酸
炎症を起こす原因物質であるプロスタグランジンの産生を抑制することで抗炎症作用を示すほか、皮膚のバリア機能を高めたり、免疫反応を調整したりする作用も示します。

・トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)
血行を促進することで、唇の新陳代謝を促します。

l-メントール、dl-カンフル
スーッとした清涼感を与えることで、かゆみを鎮める効果があります。
痒みが出ている状態の唇に効果的です。

医薬部外品のリップクリームの選び方のポイントは?

チューブタイプやスティックタイプなど製剤タイプで選ぶ

・スティックタイプ
有効成分を含む薬の部分自体がスティック状に固まっており、そのまま唇に塗布します。
医薬部外品のリップクリームだけでなく、口紅を含む、化粧品のリップクリームでよく見かけるタイプです。

・チューブタイプ
チューブの先の穴からクリームが絞り出され、それを唇に塗布します。
多くの製品では、直接唇に濡れるような設計になっています。

・ジャータイプ
ジャー(壺)に入ったタイプで、指や綿棒などを使い、唇に塗布します。
ただ、こちらは油脂が多く、固形化されている製品が多いため、リップクリームという名称よりも、リップバームという呼び方で販売されていることが多いでしょう。
指を使用することで唇全体に馴染ませやすいというメリットがある一方、指先がベタついたり、直接指を入れる場合は衛生面が気になるというデメリットもあります。

潤い成分の種類で選ぶ

リップクリームにはさまざまな保湿成分が含まれています。
たくさん種類があって、結局どれがいいのか分からないという方も多いと思いますので、代表的な成分を以下の3つに分類して、簡単にご説明させていただきます。

・潤いを与える成分
ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリンなど
水分を保持する能力により、唇や肌に潤いを与える成分です。
ヒアルロン酸やコラーゲンなどはお互いに相性がよく、効果を高め合うため、一緒に配合されていることも多いです。

・潤いを挟み込み、肌のバリア機能を高める成分
セラミドなど
セラミドは本来私たちの皮膚に存在し、バリア機能の役割を負っています。
油性と水性どちらの面ももち、水分を挟み込むことで、潤いを保ちます。

・潤いを閉じ込める成分
ワセリン、スクワラン、ホホバオイル、シアバターなど
油性の保湿成分は油の膜で覆うことで、唇から水分が蒸発するのを防ぐとともに、外部の刺激から守る役割を行います。
天然成分が多く、リップクリームによく配合されている成分です。

香りや色の有無で選ぶ

香料や、メントールの有無での使用感で製品を選ぶという方法です。
医薬部外品のリップは「薬用」と記載があるものの、医薬品のリップクリームに比べれば、香りや色で楽しむことのできる製品が多くなっています。
フルーツやハチミツといった甘い香りがついているものから、メントールが入っているものはミントのようなスーッとした清涼感を感じることができます。
ただし、唇が敏感な人などはメントールなどが刺激になる可能性もあるため、そういった場合は無香料のものから選ぶ方が良いでしょう。
また、色付きリップは唇に潤いを与えつつ、唇の血色を良く見せる効果があります。
化粧品のリップクリームほどとはいかないものの、色付きの製品も医薬部外品の分類から販売されていますよ。

おすすめの医薬部外品のリップクリーム4選!

メンソレータム ディープモイスト(無香料)

有効成分:トコフェロール酢酸エステル
タイプ:スティック
潤い成分:ヒアルロン酸、シアバター、ホホバオイル
香料・色:無香料・無着色
特徴:医薬品から化粧品まで数多くのリップクリームを手がけるロート製薬が手がける、特に保湿にこだわった製品です。
有効成分にビタミンEを含むことで、血行促進効果も期待できます。
清涼感を求める人は、メントール、dl−カンフルがさらに有効成分として加わった、メンソレータムディープモイスト(メントール)もありますよ。

キュレル リップケアクリーム

有効成分:グリチルレチン酸ステアリル
タイプ:スティック
潤い成分:セラミド機能成分
香料・色:無香料・無着色
特徴:敏感肌のケアにこだわったキュレルシリーズから販売されているリップクリームです。
無香料、無着色かつアルコールフリー、さらにアレルギーテストやパッチテストもクリアしているため、刺激に敏感な唇の方でも、比較的安心して使っていただけるでしょう。
化粧品としてですが、色付きのリップクリーム(ほんのり色づくタイプ)も販売されています。

ニベア ロイヤルブルーリップ 濃密美容ケア

有効成分:酢酸DL-α-トコフェロール、グリチルレチン酸ステアリル
タイプ:チューブ
潤い成分:セラミドE、コレステロール、イソステアリン酸イソステアリル、グリセリン、ヒアルロン酸、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリチル
香料・色:無香料・無着色
特徴:ハンドクリームなどのスキンケア製品でお馴染みのニベアで、保湿力を最も高めた「ロイヤルブルー」シリーズのリップケア製品です。
その中でもこちらのチューブタイプのリップクリームは、潤いを閉じ込めるオイル成分がさらにプラスされていることで、潤いを密封し、ハリのある唇を維持するよう設計されています。
スティックタイプの製品も2種類販売されており、唇のくすみ隠しにも使用できます。

資生堂クレ・ド・ポー ボーテ マニフィカトゥールレーブルn 1 ピンク

有効成分:グリチルレチン酸ステアリル
タイプ:スティック
潤い成分:シアバター、ローズヒップ油、精製国産ツバキ油、オーガニックホホバオイルE
香料・色:ローズ・ピンク
特徴:資生堂が販売する医薬部外品の色、香り付きリップクリームです。
スキンケアからメイクアップまで化粧品を幅広く取り扱っているノウハウを活かし、抗炎症成分を含みながらも、色や香りの選択肢も楽しめるようになっています。
他にも、レッド : ペパーミントの香り、コーラル : ハニー&オレンジの香り
、ニュートラルピンク : ほのかに香るローズとソーヴィニヨンブランの香り
の計4種類が販売されています。

医薬部外品と化粧品のリップクリームの違いは?

リップクリームを探していると医薬部外品のリップクリームと化粧品のリップクリームの製品が同じように出てきますよね。
これらの違いについて「薬用と書いてある医薬部外品であれば効果が高い」と単純に捉えている方も多いのではないでしょうか。
その認識が間違いであるとは言いませんが、最も大きな違いは「医学的な有効成分の有無」です。
医薬部外品は厚労省の認めた有効成分が含まれますが、化粧品には含まれていません。
ただし、ここで注意したいのが保湿成分などについては、有効成分ではありませんので、医薬部外品、化粧品で効果の優劣や違いはないということです。
そのため、唇の炎症を抑える成分や血行を促進する成分により、荒れを防止したいという人は医薬部外品から製品を選択することをお勧めしますが、単純に潤いを保ちたい、唇を健康に保ちたいという目的であれば化粧品のリップクリームで十分対応が可能ですよ。
リップクリームには更に口唇炎や口角炎といった症状の治療目的で用いられる医薬品の分類に属する製品もあるため、そもそもどの分類の製品を選んだらいいか分からないという方は以下のコラムもご参照ください。

医薬品、医薬部外品、化粧品のリップクリームの違いについて

まとめ

医薬部外品のリップクリームについて、基礎知識から代表的な有効成分、また選び方のポイントを踏まえたおすすめ製品までお伝えさせていただきました。
医薬部外品のリップクリームは炎症を抑える成分や血行を促進する成分が含まれることで、唇の荒れやひび割れを防止する効果があります。
数多くの製品が販売されていますが、含まれる保湿剤の種類や、スティックやチューブといった製剤タイプといったポイントに絞ることで、製品選びも行いやすくなるでしょう。
医薬部外品のリップクリームであっても、パッケージや色、香りなどから楽しんで製品選びを行える時代ですので、あなたにあった製品を探してみてくださいね。