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更新日:2022/12/15
あなたの唇に合うリップクリームは?医薬品、医薬部外品、化粧品でここが違う!

寒くなり、空気の乾燥してくる時期になると気になる「唇の乾燥」。

この時期にはリップクリームが欠かせないという人も多いのではないでしょうか。

ただ、リップクリームといっても医薬品から化粧品まで膨大な数の製品が販売されているため、どれを購入したらいいのか迷いますよね。

このコラムではリップクリームに含まれる3つの分類、医薬品、医薬部外品、化粧品の違いや特徴を踏まえ、各分類の製品がどういった人におすすめであるかをお伝えさせていただきます。

 

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

リップクリームとは?

「リップクリーム」には特に決まった定義がなく「唇の荒れを防いだり、潤いを保ったりする作用が期待される、唇に使用するクリーム」を総称して呼びます。
そのため、一口にリップクリームと言っても、医薬品、医薬部外品、化粧品の3つの分類の製品が存在し、どれに属するかで含まれる有効成分や、効能・効果、購入可能な場所などが異なります。
また、ジャー(壺)に入った製品など、製剤の油分が多く、固形化したタイプではリップバームと呼ばれることもあります。

リップクリームの3つの分類

リップクリームの3つの分類の違いについて、簡単に以下の表にまとめさせていただきました。

医薬品 医薬部外品 化粧品
 目的 「病気の治療や予防」 「防止」「衛生」 「美化」「清潔」「健やかに保つ」
 販売 薬局、ドラッグストア コンビニ、スーパーなどでも購入可能 コンビニ、スーパーなどでも購入可能
 有効成分 含まれる 含まれる 含まれない
どんな人に すでに唇の荒れが起きている人 唇が荒れないように予防したい人 潤いを保ち、唇を健康的に保ちたい、また、綺麗に見せたい人

3つの分類でまず基本的に異なるのが、その「目的」であると言えるでしょう。
また、医薬品が薬局やドラッグストアでしか買えないのに対し、医薬部外品や化粧品は、身近な場所でも購入することが可能です。
加えて、医薬品と医薬部外品は、厚労省が認めた有効成分が含まれていますが、化粧品には有効成分は含まれていないという違いもあります。
これらを踏まえて、それぞれの分類について、もう少し詳しくご説明させていただきますね。

医薬品のリップクリーム

医薬品のリップクリームは、厚労省の認めた有効成分が含まれ、主に病気の治療に対して使用されます。
炎症を抑える成分や、荒れた組織を修復する成分、唇の血行を促進する成分などが配合され、「口角炎」、「口唇炎」、「口唇のひびわれ」、「口唇のただれ」などに効能・効果を示します。
また、薬剤師や登録販売者でないと販売することができないため、オンライン以外では、薬局やドラッグストアにて購入する必要があります。

<おすすめの人>
・すでに唇の荒れや炎症が起きている人
・口角炎や口唇炎がよく起きる人

<商品例>
・デンタルピルクリーム
・ユースキン リリップキュア
・メンソレータムメディカルリップb

医薬品のリップクリームについて、おすすめ製品など詳しくはこちらのコラムもご参照ください。

医薬部外品のリップクリーム

医薬部外品のリップクリームにも厚労省が認めた有効成分が含まれており、炎症を抑える成分、血行を促進する成分などが挙げられます。
ただ、医薬品のリップクリームと異なり、病気の「治療」を目的とするものではなく、症状の発症を「防止」する目的で使用されるというのが大きな違いということができるでしょう。
唇の荒れ・乾燥・ひび割れを防ぐ、唇にうるおいを与えるなどの効果があり、製品によっては「薬用(リップクリーム)」と記載されていることもあります。
販売者に対する制限がないため、薬局やドラックストアだけでなく、コンビニやスーパーなど、身近な場所でも購入が可能です。

<おすすめの人>
・唇の荒れを防止したい人
・唇の荒れや炎症に対して、身近な場所で購入できる製品で対応したい人

<商品例>
・メンソレータム ディープモイスト(無香料)
・キュレル リップケアクリーム
・ニベア ロイヤルブルーリップ しっとりなめらかタイプ
・資生堂クレ・ド・ポー ボーテ マニフィカトゥールレーブルn 1 ピンク

医薬部外品のリップクリームについて、おすすめ製品など詳しくはこちらのコラムもご参照ください。

化粧品のリップクリーム

化粧品のリップクリームは、医薬品、医薬部外品のように厚労省の認めた有効成分というものは配合されていませんが、唇に潤いを与える目的の「保湿成分」が配合されています。
また、美容成分や化粧下地となる成分が配合されていたり、色や香りがついていたりする製品が多いという特徴があるでしょう。
値段に関しても、高価なものから安価なものまで多種多様に存在します。

<おすすめの人>
・唇に潤いを保ち、健康に見せたい人
・唇を綺麗に見せたい人
・豊富なカラーバリエーションから選びたい人

<商品例>
・シャネル ルージュ ココ ボーム
・マキアージュ ドラマティックリップトリートメントEX リップクリーム
・ウォーターインリップ スーパーモイストキープ

結局どの分類のリップクリームを選べばいいの?

現在の唇の状態で選ぶ

基本的には、現在の唇の症状に合わせて分類を選ぶことをおすすめします。
口角炎、口唇炎などの症状があり、治療を目的とする場合は医薬品のリップクリームを選ぶといいでしょう。
現在の炎症がそれほどひどいわけではないけれど、炎症を抑える成分などを用いて、荒れを防止したい人は医薬部外品のリップクリームがおすすめです。
今現在は症状がなく、潤いをもたせたい場合は化粧品のリップクリームで十分対応可能ですよ。

保湿力の高さについては、分類での優劣はない

リップクリームに対して「唇の潤いを保つ」という効果を期待している人は多いのではないでしょうか。
実は、単純に保湿力という面で見ると、医薬品、医薬部外品、化粧品のリップクリームで効果の優劣は付けられないと言えるでしょう。
医薬品や医薬部外品に含まれる有効成分はあくまで抗炎症成分や組織修復成分などであって、保湿成分は有効成分として認められているものではありません。
唇に潤いを保つ成分に関しては、製品によって用いている成分がさまざまです。
一概にどの成分が優れているとは決めることができませんので、ご自身に合った成分を見つけましょう。

安全性で選ぶ

医薬品、医薬部外品は、国の方で品目ごとに厳しい審査と承認が行われています。
化粧品に関しても、製造や販売に関して、法律で厳しく定められてはいますが、承認制ではなく、国で認めた成分の範囲で製造し、届出を出せば、販売することが可能です。
これらのような違いがあるため、より安全性を求める人は医薬品や医薬部外品の製品から選択するというのも一つの選び方になるでしょう。

色付きリップなら医薬部外品か化粧品を

色付きリップは、唇に潤いを与えつつ、唇の血色を良く見せる効果があります。
健康的に見えるようナチュラルに色づくものから、口紅代わりに使えるような高発色のものまで販売されています。
やはりカラーバリエーションなどを多数取り揃えているのは化粧品にはなりますが、医薬部外品であれば色付きの製品も存在しますので、色付きリップをお探しの方はこの2つの分類から選ぶと良いでしょう。

まとめ

リップクリームについて、3つの分類による違いや特徴、各分類の製品がどういった人におすすめであるかをご紹介させていただきました。
リップクリームは、分類によって、そもそもの目的が異なり、有効成分の有無や購入可能な場所が変わってきます。
基本的には、症状に合わせてどの分類の製品を購入するかを決めることをおすすめしますが、その他にも安全性や色付き製品の有無などで決めるのも一つの手でしょう。
製品数が多いリップクリームは、やみくもに探すとなかなか選ぶのが難しいですが、まずはご自分に合った分類を考え、そこから製品を絞り込むと少し探しやすくなると思いますよ。
このコラムがそのお役に立てれば幸いです。