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お薬コラム
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更新日:2022/09/01
日焼けで赤くなった肌にはどの塗り薬を使うのが正解?辛い痛みは市販薬で対応可能!

夏に海や山遊びを楽しんだ際、日焼け予防が甘かったことから肌が真っ赤に腫れてしまったことはありませんか。

ヒリヒリ痛むし、シャワーを浴びるのも一苦労ですよね。

そういう赤くなる日焼けはサンバーンとも呼ばれ、直後の対応が大切です。

また、痛みや赤みはこういうものだと諦めず、市販薬で和らげることも可能です。

このコラムでは日焼け後における対応と、日焼けによる赤みや痛みに対して効果のある市販薬についてお伝えさせていただきます。

 

日焼けの種類(サンバーンとサンタン)についてなど、全体的な知識についてはこちらのコラムもご参照ください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

日焼け直後の皮膚の状態とは?

日焼け(サンバーン)をした皮膚は、紫外線の中でもエネルギーが強いUV−Bによってダメージを受け、赤みや腫れが起きている状態です。
これは皮膚が炎症を起こしている状態であり、軽いやけどを負っていると言っても良いでしょう。
UV−Bを大量に、また長時間浴び続けると、水膨れなどを伴うひどい炎症となることもあります。

日焼け後の対応

日焼け後はサンバーンによる炎症をできるだけ悪化させないよう処置する必要があります。
以下に挙げる方法により、炎症の症状を緩和させましょう。

日焼けした直後の対応

①患部を冷やす
まずは、濡れタオルや冷たい流水、また保冷剤などを入れた氷のうで患部をよく冷やしましょう。
なるべく早く冷やすことで、炎症の広がりを抑えます。

②保湿剤の使用
日焼けした皮膚は角質から水分が奪われて、かなり乾燥した状態です。
そのため、更なる皮膚のダメージを防ぐためにも、保湿剤を用いて保護する必要があります。
この際、日焼け後の皮膚はいつも以上に刺激に対して敏感になっているため、低刺激のものを用いる方が良いでしょう。

日焼け後の保湿剤使用について、おすすめの製品などはこちらのコラムもご参照ください。

炎症がひどい時の対応

①塗り薬の使用
炎症が強い場合はステロイドや抗炎症作用のある塗り薬を使用することで炎症を抑えます。
市販でもこれらの塗り薬は購入することができますが、症状がなかなか改善しない場合や、悪化する場合は医療機関を受診しましょう。

②医療機関の受診
日焼けの範囲がかなり広範囲にわたる、水膨れができるほどの強い炎症が起こっている状態の場合は皮膚科を受診するようにしましょう。
また、重症の日焼けでは、全身をやけどした状態となり、頭痛や嘔吐、意識混濁などの全身症状が現れることもあります。
こういった場合はすぐに救急で医療機関を受診しましょう。

市販薬での日焼けの治療

日焼けが軽い炎症で留まっている場合は市販薬で対応が可能です。
その場合は「日焼け」として効果・効能がある薬を使用するか、軽い「やけど」として捉え、「やけど」に対して効果・効能がある薬を使用するのも良いでしょう。
また、サンバーンによる日焼けは医学的に「日光皮膚炎」と言われます。
そのため、さらに炎症が強い場合は「皮膚炎」に効果があるステロイド含有軟膏の使用も効果的です。

『日焼け』の効能・効果がある医薬品または医薬部外品
キップパイロール−Hi

有効成分:イソプロピルメチルフェノール、酸化亜鉛、サリチル酸、フェノール
特徴:イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、フェノールと殺菌作用のある3種類の成分と、酸化亜鉛による消炎・保護作用で、日焼け以外にも傷薬として使用することもできます。
フェノールはかゆみを抑える作用も併せ持つため、日焼けのかゆみによる掻きむしりを防ぎます。
昔から販売されていることもあって、製品タイプも15gから500gまで容量が異なる3種類の缶の他、チューブと、必要に応じてさまざまなものから選べるようになっています。

パンパス軟膏

有効成分:酸化亜鉛、フェノール、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、ヨークレシチン
特徴:酸化亜鉛による消炎・保護作用に、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸が殺菌作用を示します。
サリチル酸は皮膚の角質を柔らかくする作用も併せもち、そこに血行を良くするヨークレシチンが加わることで、皮膚の回復をサポートします。

明色カラミンローション(医薬部外品)

有効成分:カラミン、シメンー5ーオール
特徴:カラミンは酸化亜鉛に酸化鉄が加わったもので、軽度の皮膚の炎症を抑え、保護する役割があります。
医薬品のカラミンローションもありますが、500mlとかなりの大容量です。
医薬部外品にはなりますが、シメンー5ーオール (イソプロピルメチルフェノール)と、アロエ、桃葉エキスが配合されたものが手軽なサイズで販売されています。

医薬品・医薬部外品の違いについて、気になる方はこちらのコラムもご参照ください。

『やけど』の効能・効果がある医薬品
間宮アロエ軟膏a

有効成分:アロエ末、アロエ葉末
特徴:アロエは昔から炎症を抑えるなど、さまざまな効果があるとして、飲み薬にしたり傷口に使用されたりしていました。
間宮アロエ軟膏aは、現在医薬品として販売されている唯一のアロエ含有軟膏であり、やけどを始めとし、ひびやあかぎれなどさまざまな傷に対しても効果を示します。
ワセリンやラノリン、オリーブ油といった基材でできており、油分の膜で患部を保護するような設計になっているため、使用感としてはベタつきが強いです。

クラシエ紫雲膏

有効成分:シコン、トウキ、ゴマ油、ミツロウ、トン脂
特徴:江戸時代から用いられている軟膏で、炎症を抑える作用や、血行促進作用があり、やけど以外にもひびやあかぎれ、湿疹、外傷、痔の痛みなどに使用できます。
シコン特有の赤い色にゴマ油の匂いが特徴的な軟膏ですが、この赤色が衣服につくとなかなか取れない可能性があるため、衣服の下に塗る場合は注意が必要でしょう。

やけどの治療やおすすめの市販薬についてはこちらのコラムもご参照ください

『皮膚炎』の効能・効果があるステロイド含有医薬品
リンデロンVs

有効成分:ベタメタゾン吉草酸エステル
特徴:市販で購入できるステロイドの中では一番強いstrongランクのステロイドです。
日焼けを起こしやすい手足や肩などへの使用がおすすめです。
軟膏の他にクリームやローションもあるため、日焼けが起きやすい夏場にはベタつきにくい剤形を選んで使用するのもおすすめです。

リビメックスコーワ軟膏

有効成分:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
特徴:市販で購入できるステロイドの中では真ん中に位置するmediumランクのステロイドです。
塗布した患部で効果を発揮した後、すぐに代謝されるアンテドラッグステロイドでもあります。
比較的デリケートな顔や首などへの使用がおすすめです。

強さによる使い分けなど、ステロイドの基本的な情報はこちらのコラムもご参照ください。

まとめ

サンバーンによる日焼けの治療について、基本的な知識からおすすめの製品までご紹介させていただきました。
サンバーンを起こした皮膚は炎症を起こし、軽度のやけどを負った状態と同様です。
そのため「日焼け」に対して効能・効果をもつ医薬品以外にも「やけど」や「皮膚炎」への効能・効果をもつ医薬品の使用で症状の緩和が期待できます。
しかしながら、水膨れなどを伴う重度の日焼けは、予期せぬ皮膚の感染症を起こすこともありますし、さほど強い紫外線を浴びていないにも関わらず日焼けを繰り返す場合は「光線過敏症」という病気である可能性もあります。
これらの症状に対しては、医療機関での適切な治療が必要になります。
たかが日焼けと侮らず、症状に合わせて適切な処置を行うよう心がけましょう。
このコラムが日焼け後の症状でお困りのあなたにとって、お役に立てれば幸いです。