虫除け(肌や服に塗るタイプ)
山登りや釣り、キャンプや外遊びなどをするときに気になるのが虫刺されです。蚊をはじめ、ブヨやヤマビルなど自然界にはさまざまな虫が存在します。できれば虫に刺されずに1日を楽しく過ごしたいですよね。
しかし、虫除けにはさまざまな種類があるため、違いが分からずどれを購入したらいいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、虫除けに使われている成分の特徴や使い方、おすすめの製品などを詳しく紹介します。
虫(蚊)に刺されるメカニズム
人間を吸血する虫の代表例が蚊です。蚊は次の3つを感知することで吸血対象である人間を見つけ出していると言われています。
1. 二酸化炭素
2. 人間から発生する揮発成分
3. 体温
なかでも二酸化炭素は遠くまで届く性質があるため、蚊は二酸化炭素の濃度差を感知して吸血対象を見つけているようです。
ほかに、乳酸や2-メチルフェノール、オクタノールなどの揮発成分を感知することもできます。二酸化炭素や揮発成分を頼りに人間に近付いてきた蚊は、最終的に体温を感知して吸血対象に接近していくのです。
ちなみにO型が蚊に刺されやすいと言われることがありますが、これについて明確な研究結果はまだ出ていません。
虫除けで使われる成分と特徴
日本では、古くからディートという虫除け成分が主流で使用されてきました。2015年になるとイカリジンという成分が承認され、こちらもディートに劣らないほど広く普及しています。できるだけ優しい成分を使いたい方向けに、植物由来成分のものも人気です。
それぞれの成分の違いを知っておくと、虫除けを選ぶ際の参考になります。ここでは成分の特徴や虫除けのメカニズムについて見ていきましょう。
ディート
ディートは、人間が出す二酸化炭素やにおい、温度などを感知する能力をマヒさせることで吸血を阻止する成分です。日本で初めて承認された虫除け成分として知られています。次に挙げる虫に効果があることが特徴です。
• 蚊
• ブユ
• アブ
• マダニ
• イエダニ
• ノミ
• トコジラミ
• サシバエ
• ツツガムシ
• ヤマビル
ディートは生後6か月から使用できます。製品によって配合されているディートの濃度が違い、10%以下のもの、12%、30%と種類があるので、虫除けを使用するシーンに合わせて選びましょう。
ディートの濃度が高いほど虫除けの持続時間が長くなります。10%以下だと3~4時間、12%は6時間、30%は8時間程度が持続時間の目安です。濃度が高いからといって効果が増すわけではありません。アウトドアを楽しむ時間の長さに応じて選ぶことが大切です。
ポリエステル系やウレタン系の合成繊維を変質させることがあるので、ストッキングやスポーツウェアなどにはつかないように注意してください。
イカリジン
イカリジンもディートと同様に、虫が二酸化炭素や温度を感知する能力をマヒさせる成分として知られています。効果がある虫は次のとおりです。
• 蚊
• ブユ
• アブ
• マダニ
• イエダニ
• トコジラミ
• ヤマビル
ディートよりも対応している虫の種類が少ないのでご注意ください。比較的新しい虫除けの成分で、ディートのような独特の臭いがあまりありません。皮膚への刺激も少ないことから、小さな赤ちゃんにも使用できます。
ディートは生後6か月からしか使用できませんが、イカリジンは年齢制限がありません。衣類に優しい成分のため、ストッキングやスポーツウェアの上からでも使用できます。
植物由来の成分
できるだけ化学的なものではなく安全性が高いものを使いたいと考えている方に人気なのが、植物由来の成分が入った虫除けです。ユーカリ油やシトロネラール、レモングラスなどのハーブが入っているものがあります。
虫の感知能力をマヒさせる効果はありませんが、虫が苦手な香りで寄せ付けないようにするものです。持続時間が短いため、「香りがなくなってきたな」と感じたら小まめに塗り直す必要があります。ディートやイカリジンと比べると、効果は弱めです。
虫除けの効果的な使い方
虫除けの使い方は、配合されている主成分によって異なります。正しい使い方で使用しなければ十分に効果が出ないことがあるので注意しましょう。
ディートの使い方
ディートは、使用する方の年齢によって使用回数が異なります。
年齢 | 使用回数 |
12歳以上 | 使用回数に制限なし |
2歳以上~12歳未満 | 1日1~3回 |
生後6か月以上~2歳未満 | 1日1回 |
生後6か月未満 | 使用しないこと |
生後6か月以上の赤ちゃんに使用する場合は、濃度が12%以下のものを使用してください。30%の製品は12歳以上から使用できます。12歳未満の子どもに使用する場合は、スプレーを子どもが吸い込むおそれがあるため、大人の手にスプレーしたものを塗り広げましょう。
イカリジンの使い方
イカリジンは、年齢による使用制限や回数制限がありません。気になるときにその都度使用してください。汗をかいたタイミングで塗り直すとよいでしょう。ムラができないようにしっかり塗ることがポイントです。子どもに使う場合は、大人の手に出したものを塗り広げてあげてください。
植物由来成分の使い方
とくに使用できる年齢や回数は定められていません。香りの力で虫を寄せ付けないようにするものなので、香りが弱くなってきたと感じたらこまめに塗り直してください。お肌に直接塗る以外に、服やベビーカーにスプレーしても効果があります。
成分別におすすめの虫除け製品を紹介
では最後に、それぞれの成分を含んだ虫除け製品を見ていきましょう。
ディート
サラテクト シート
ディートの濃度が10%の製品です。生後6か月の赤ちゃんから使用できます。シートタイプなので、子どもが虫よけ成分を吸い込む心配がありません。
サラテクトミスト リッチリッチ30
ディートが30%配合されています。12歳以上から使用可能です。8時間ほど外に出る用事があるときの使用に向いています。
イカリジン
天使のスキンベープミスト プレミアム
イカリジンが15%配合されたミストタイプの虫よけです。小さな赤ちゃんから使用できます。1回しっかりスプレーすることで6~8時間ほど効果が持続するため、塗り直しの時間があまり取れない方に向いているでしょう。
天使のスキンベープティシュ プレミアム
シートタイプの虫よけです。イカリジンが15%配合されています。スプレータイプのように成分が飛び散らないため、小さな子どもに使用するときに便利です。
植物由来の成分
服にスプレー スキンベープミスト ナチュラル UVカット 不快害虫用
100%天然由来の成分が使われている虫よけです。レモンユーカリ由来成分とメントールの力で虫を近付けません。UVカット効果もあるため、紫外線が気になるときにおでかけにぴったりです。
イハダ アウトドアスクリーン
ユーカリ油とゼラニウム油、ハッカ油の香りで虫からしっかりガードします。香り持続成分も配合されているため、効き目が長持ちすることが特徴です。
まとめ
虫よけに使われている成分には、大きく分けてディート、イカリジン、植物由来成分の3つがあります。昔から使われている成分がよい方はディート、小さな赤ちゃんからでも使える成分がよい方はイカリジン、安心して使えるものがよい方は植物由来成分を選ぶとよいでしょう。
ディートは、配合されている濃度によって効果の持続時間や使用できる年齢が変わります。お出かけする時間や虫よけを使う方の年齢などに合わせて、使いやすいものを選んでみてください。