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更新日:2023/03/30

眠気がでない花粉症の薬を選びたい人への4つの方法!薬剤師が解説

辛いくしゃみや鼻づまり、目の痒みを起こす花粉症。
これらの症状をどうにか抑えたいけれど、仕事や学校で眠くなるのは困ることで、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
飲むと眠くなるイメージの花粉症の薬ですが、実は選び方によっては極力眠気を抑えることが可能です。

このコラムでは市販で購入できる花粉症の薬で、眠気を抑えて製品を選ぶ方法を4つお伝えさせていただきます。
毎年、花粉症の症状と薬の眠気に悩まされているという方は、読むことで来シーズンからの薬選びが変わってくると思いますよ。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

眠気の原因?抗ヒスタミン薬とは?

花粉症の薬が眠くなる最大の原因は、花粉自体のアレルギー反応を抑える、『抗ヒスタミン』作用のある成分です。
花粉症の人は、花粉が入り込むと、体内でヒスタミンという物質が放出され、鼻詰まりや鼻水などの鼻炎症状や目の痒みといった症状を引き起こします。
『抗ヒスタミン』は、この「ヒスタミン」の作用を抑えることで、症状を改善する成分です。
花粉症の諸症状の他にも、じんま疹や気管支ぜんそくなど、アレルギー反応が原因で起こるさまざまな病気の治療に使用されます。
しかし、この『抗ヒスタミン』成分は、アレルギーを抑える作用に優れているとともに、脳におけるヒスタミンの覚醒作用までも抑えてしまうため、それにより眠気が出てしまうのです。
抗ヒスタミン成分の中でも、脳の方への作用がどれほど現れるかは異なっており、いわゆる「眠気が出やすい」と言われる成分と、「眠気が出にくい」と言われる成分が存在するのはこのためです。

眠気が出ない薬の選び方、4つの方法

花粉症の薬に含まれる抗ヒスタミン成分により、眠気の副作用はある程度避けることのできないものです。
しかし、薬の選び方によって、この眠気が出る可能性を減らすことはできます。
そのための方法を4つお伝えさせていただきますね。

①眠気が出にくい抗ヒスタミン成分を選ぶ
②ステロイドの点鼻薬を選ぶ
③目薬で対応する
④漢方の飲み薬を用いる

これら4つの方法について、それぞれ細かくご説明させていただきます。

方法① 眠気が出にくい抗ヒスタミン成分を選ぶ

主成分である抗ヒスタミン成分の中でも、脳への作用が少なく、眠気が出にくい成分を選ぶという方法です。
一般的に、開発された年代が比較的新しい「第二世代の抗ヒスタミン薬」に属する成分であれば「眠気が出にくい」とされています。
以下に、代表的な第二世代の抗ヒスタミン薬を挙げさせていただきます。

・エピナスチン(アレジオン)
・ベポタスチン(タリオン)
・エバスチン(エバステル)
・ロラタジン(クラリチン)
・フェキソフェナジン(アレグラ)

※カッコ内は先発の医療用医薬品名

そして、この中でも特に

「ロラタジン」「フェキソフェナジン」

に関しては、服用中でも『車の運転が可能』とされているため、これら2つの成分は、市販薬の中でも最も眠気が出にくいということができるでしょう。
他の第二世代の抗ヒスタミン成分に関しては、眠気が出にくいとはされているものの、車の運転や高所での作業などは避けるよう記載がされているため、服用にあたっては注意しましょう。

〈おすすめの眠気が出にくい抗ヒスタミンの飲み薬〉

クラリチンEX

有効成分:ロラタジン
特徴医療用のクラリチンと全く同じ成分を使用したスイッチOTCとして販売されました。
1日1回で効果があるため、飲み忘れの心配も少ないです。
水なしで飲めるOD錠も販売されていますよ。

アレグラFX

有効成分:フェキソフェナジン
特徴:こちらも医療用アレグラのスイッチOTCとして販売されており、1日2回服用で効果を示すタイプの成分です。
1錠あたりの成分量が半分になった子供向けのアレグラFXジュニアも販売されています。
子供が服用できる市販の第二世代抗ヒスタミン薬は珍しいため、眠気を抑えて子供の花粉症対策をしたい方におすすめです。

方法2 ステロイドの点鼻薬を使う

点鼻薬は鼻に直接噴霧することで、効き目の速さが期待できると共に、眠気を含めた、全身への副作用を少なく抑えることができるという特徴があります。

そこで、眠気を抑えながら、花粉症による鼻炎症状を抑える場合は、点鼻薬の使用が有効ですが、その中でもここでは特にステロイドの点鼻薬をおすすめします。

そもそも、花粉症による鼻炎症状に向けた点鼻薬に含まれる成分には、ステロイド成分、抗ヒスタミン成分、血管収縮成分の3つが挙げられます。
以下の表にそれぞれの働きと特徴を挙げさせていただきました。

成分 働き 特徴
ステロイド 優れた抗炎症作用により鼻炎症状を抑える ・病院では、花粉症に対する点鼻薬の中では第一選択薬とされている
・症状が出始める前からの使用が推奨されており、即効性に欠ける
抗ヒスタミン ヒスタミンの作用を抑えることで花粉によるアレルギー反応を鎮める 即効性が期待できる
眠気の副作用が出る可能性もある
血管収縮剤 鼻の粘膜にある毛細血管を収縮することで鼻詰まりを解消させる ・即効性が期待できる
長期に使用することで耐性がつき、鼻炎症状が悪化することが指摘されている

点鼻薬は全身の副作用を抑える作りになっているものの、一部が血流に乗って全身に回るため、抗ヒスタミン成分による眠気の副作用が出る可能性がゼロではありません。
特に抗アレルギー作用のある成分が一緒に配合されている製品は、より眠気が出やすくなるため、乗り物の運転などをされる方は、より一層、注意が必要となります。
また、血管収縮剤は薬剤耐性が懸念されることから長期の使用が推奨されない上に、市販の点鼻薬の中では単剤ではあまり見受けられず、おおよその製品では抗ヒスタミン成分とセットとなっています。

これらの理由で、花粉症のような長期で使用する際に、眠気を極力避けるのであれば「ステロイド成分がメインの点鼻薬」をお勧めします。

花粉症に対しておすすめの点鼻薬については、こちらのコラムもご参照ください。

〈ステロイド点鼻薬のおすすめ〉

フルナーゼ点鼻薬

有効成分:フルチカゾンプロピオン酸エステル
特徴医療用フルナーゼのスイッチOTCで、昨年(2022年)の11月から第1類医薬品となったことで、ネットでの購入が可能となりました。
ワンプッシュで効果が長く持続するため、1日2回の使用で構わないのが嬉しいところ。外出先などに点鼻容器を持ち運ぶ必要はありません。

ナザールαAR0.1%

有効成分:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
特徴医療用ナゾネックスのスイッチOTCで、1日2回使用します。
こちらの製品はほのかに爽やかなメントールの香りがしますが、刺激は少ない設計です。
それに対し、クールタイプのナザールαAR0.1%Cはメントールの香りが強くなっているため、スーッとした清涼感をお求めの方はこちらの製品がおすすめです。

方法3 目薬を使う

目の痒みなどの目の症状に対しては、点眼薬の使用もおすすめです。
花粉症に対する目薬は「抗ヒスタミン成分」やアレルギー反応を起こすヒスタミンなどの物質自体が出てこないように抑える「抗アレルギー成分」が配合されています。
点眼薬も点鼻薬と同様に、局所的に作用することで、眠気などの全身性の副作用が出にくくなっていますが、やはりこちらも多少なりとも成分が全身にも回るため、眠気が全く出ないとは言い切れません。
特に、抗ヒスタミン成分が含まれる点鼻薬と併用する場合は、抗ヒスタミン成分が重複することにより、眠気が出る可能性が上がるため、車の運転は禁止するよう添付文書にも記載されています。

目薬には抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分以外にも、角膜を保護する成分や炎症を抑える成分など、有効成分が何種類も配合されていることが多いため、製品選びに迷う場合はこちらのコラムもご参考になさってください。

〈花粉症におすすめの点眼薬〉

ロートアルガードクリアブロックZ

有効成分:クロモグリク酸ナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プラノプロフェン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
特徴:抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分、角膜保護成分と、目のかゆみに対して多方面からアプローチした製品です。
こちらは金のアルガードシリーズといい、目のかゆみに対して設計されたアルガードブランドの中でも、特に症状がひどい人に向けて作られたものです。
市販の一般的な目薬を使用しても症状が治らないという人におすすめの製品です。

アイフリーコーワAL

有効成分:アシタザノラスト
特徴:抗アレルギー成分が単独で配合されたシンプルな目薬。
作用は抗ヒスタミン作用のものと比較するとマイルドであるため、花粉の時期が来る前などから使用を開始すると良いでしょう。
抗ヒスタミン成分が配合されていないため、点鼻薬と併用する場合でも眠気が出るなどの心配がありません。
眠気を特に気にされる方や、点鼻薬と併用する場合にオススメの製品です。

方法4 漢方の飲み薬を使う

花粉症に対する薬は飲み薬、点鼻薬、点眼薬、どの剤形であっても、アレルギー反応そのものを抑える抗ヒスタミン成分が使用されている製品が多いです。
そのため、どうしても眠気の副作用を避けるのは難しいところがありますが、漢方の飲み薬であれば、眠気が出る心配はほとんどしなくていいと言えるでしょう。
花粉症に対して使用される漢方には、サラサラした鼻水を抑える小青竜湯や鼻詰まり症状を緩和する作用のある葛根湯加川芎辛夷が挙げられますが、眠気に関する副作用はほとんど報告されていません。
どうしても抗ヒスタミン成分で眠気が出るという方は、漢方薬も試してみてはいかがでしょうか。

<花粉症に効果のある漢方のおすすめ>

小青竜湯エキス顆粒Aクラシエ

特徴特にサラサラした鼻水が出る方におすすめ。
用量を調節することで4歳から服用できるため、子供の花粉症にも使用することができますし、家族で共有することも可能です。

ツムラ漢方葛根湯加川きゅう辛夷エキス顆粒

特徴鼻詰まりにお悩みの方で、お風呂に入ると解消されるようなタイプの鼻づまりに特におすすめの漢方です。
慢性鼻炎にも使用することができるこちらの製品は、2歳から服用することが可能です。

方法1〜4を組み合わせる◇

上記でご説明させていただいた1〜4の方法は、組み合わせて使用することが可能です。
例えば、眠くなりにくい抗ヒスタミン成分の飲み薬を服用しつつ、ステロイドの点鼻を使用するといった方法です。
症状がひどい場合には1〜4の方法を全て併用しても問題ありません。
しかし、それぞれ1つの方法では眠気が出なかった場合でも、飲み薬や点鼻薬、点眼薬で抗ヒスタミン成分が重複すると予想以上に眠気の副作用が現れる可能性があります。
そのため、抗ヒスタミン成分の重複には気をつけながら、ご自分の症状に合わせて4つの方法を組み合わせて使用することをおすすめします。

まとめ

花粉症の治療薬について、なるべく眠気が出るのを避けるための方法を4つお伝えさせていただきました。
眠気の発現を抑えるためには、メインとなる抗ヒスタミンの飲み薬の中でも眠気が出にくい成分を選ぶ方法から、症状に合わせて点鼻薬、点眼薬といった局所的に作用する剤形の薬を使う方法、また漢方薬を使用する方法があります。
ご自分の症状や、どれほど眠気を避けたいかといった状況に合わせて、どの方法を用いるかを決めていただけると良いでしょう。
このコラムが辛い花粉症でお悩みのあなたにとってお役に立てれば幸いです。