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更新日:2023/04/02
市販薬のオムニードケトプロフェンパップについて薬剤師が解説!医療用モーラスパップとの違いは?

「オムニードケトプロフェンパップにはどのような特徴があるの?」
「医療用のモーラスパップとは何が違うの?」

 

このような疑問をおもちではありませんか?オムニードケトプロフェンパップは、市販薬のなかで唯一ケトプロフェンを主成分として含む湿布薬です。

 

今回は、オムニードケトプロフェンパップの特徴や医療用のモーラスパップとの違いについて詳しく解説します。使用上の注意点なども紹介しているので、こちらも参考にしながら自分に合う湿布薬探しをしてみてください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

オムニードケトプロフェンパップとは?

オムニードケトプロフェンパップは、主成分としてケトプロフェンを含む湿布薬です。次のような効能効果をもちます。

• 関節痛
• 腰痛
• 肩こりに伴う肩の痛み
• 肘の痛み(テニス肘など)
• 筋肉痛
• 腱鞘炎(手、手首の痛み)
• 打撲
• 捻挫

効能効果に関しては、ほかの湿布薬と比べて大きな違いはありません。オムニードケトプロフェンパップにはメントールが配合されているため、貼るとスースーするような清涼感が感じられます。

パップ剤のため含まれている水分量が多く、患部を冷やす効果に優れていることが特徴です。テープ剤と比べるとかぶれにくいと言われています。1日の貼付回数は2回です。貼り直しの手間はかかりますが、高い鎮痛効果を発揮してくれます。

どんな人に向いている?

オムニードケトプロフェンパップの使用が向いているのは、次に該当するような人です。

医療用の「モーラステープ」「モーラスパップ」と同成分の商品を探している人

オムニードケトプロフェンパップと同じ主成分であるケトプロフェンを含んだ湿布薬が医療用でも取り扱いがあります。よく知られているのがモーラステープとモーラスパップです。これらの湿布薬と同じ成分を含む市販薬を探している人にはオムニードケトプロフェンパップが向いているでしょう。

現時点(2023年3月現在)でケトプロフェンを主成分として含む市販薬は、オムニードケトプロフェンパップ以外にありません。ほかには選択肢がないので、モーラステープやモーラスパップと同じ成分が良い人は必然的にオムニードケトプロフェンパップが選択肢となります。

消炎鎮痛効果の高いパップを探している人

ケトプロフェンは消炎鎮痛効果が比較的高い成分です。患部の痛みや腫れがひどい人は、ケトプロフェンの使用が向いていると言えます。

ただし、ケトプロフェン以外にも消炎鎮痛効果が高い成分にはロキソプロフェンナトリウムやジクロフェナクナトリウムなども存在するため、あえてケトプロフェンを選ぶ必要はありません。

ケトプロフェンが主成分の市販薬は選択肢が限られているため、手に入りづらいときはほかの成分が使われている湿布薬も候補にしてみてください。

患部に熱がこもっている人

パップ剤は水分を多く含んでいるため、患部の熱を取り除く効果に優れています。そのため、患部が熱をもっている人にぴったりです。

ところで、パップ剤とテープ剤の違いを意識したことはありますか?パップ剤はぷにぷにとした触り心地の湿布薬のことで、テープ剤と比べると粘着力がやや低めです。そのため、剥がすときの刺激が少ないと言われています。一方でテープ剤は、肌色でにおいが少ないものが多く、粘着力が高めです

パップ剤、テープ剤の違いについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムのご参照ください。

 

医療用のモーラスパップ30mgとの違いは?

医療用のモーラスパップ30mgと、市販のオムニードケトプロフェンパップを比べると、有効成分の種類も成分量もまったく同じであることが分かります。効能効果に関しては記載方法の違いはあるものの、こちらもほぼ同じです。大きさも約14cm×10cmと同じになっています。

また、どちらもメントールが配合されている点も同じです。このことから、医療用のモーラスパップ30mgと市販のオムニードケトプロフェンパップはほとんど同じように使えると言えます。

製品名 モーラスパップ オムニードケトプロフェンパップ
有効成分 ケトプロフェン ケトプロフェン
成分量(膏体10gあたり) 30mg 30mg
効能効果 変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛 関節痛、腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、肘の痛み(テニス肘など)、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、打撲、捻挫
使用方法 1日2回、患部に貼付する。 1日2回を限度として患部に貼付する。

有効成分ケトプロフェンとは?

ケトプロフェンとは、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)として知られる成分の一つです。消炎鎮痛効果は比較的高く、医療現場でもモーラスパップやモーラステープが処方されている現場をよく見かけます。痛みや炎症を取り除く効果に優れているものの、ケトプロフェンは光線過敏症を起こしやすいため注意が必要です。

光線過敏症とは、紫外線を浴びることで皮膚炎が生じることを指します。ケトプロフェンを貼付した部位が日光に当たると、光線過敏症を起こすことがあるため、貼付部位が日光に当たらないようにしてください。ほかの成分で光線過敏症を起こすこともありますが、ケトプロフェンがもっともリスクが高いため注意しましょう。

使用時の注意点

オムニードケトプロフェンパップを使用するときは、次の注意点を押さえて使いましょう。

妊娠中の人は使用できない

妊娠中の人や妊娠の可能性がある人はオムニードケトプロフェンパップを使用できません。主成分のケトプロフェンの影響で、胎児毒性を示す恐れがあります。

15歳以上の人のみ使用できる

オムニードケトプロフェンパップは15歳以上から使用できる湿布薬です。15歳未満の人は使用しないようにしてください。どうしても湿布薬が必要な場合は11歳から使用できるインドメタシンや、とくに年齢制限のないサリチル酸メチルなどが配合されたものがおすすめです。

光線過敏症に注意する

オムニードケトプロフェンパップの主成分であるケトプロフェンは、副作用として光線過敏症を起こしやすい成分です。貼付しているときは、必ず衣類やサポーターなどを使って日光が直接当たらないようにしてください。

なお、人によっては貼付から数日経った後に日光に当たることでも光線過敏症を発症することがあります。念のため、剥がした後も4週間は患部を日光に当てないようにしてください。

まとめ

オムニードケトプロフェンパップは、ケトプロフェンを主成分として含む湿布薬です。医療用のモーラスパップ30mgとまったく同じ成分を同じ量だけ含んでいます。モーラスパップと用法用量、効能効果も変わらないため、同じように使うことが可能です。

主成分であるケトプロフェンは光線過敏症を起こしやすいので、貼付後は患部を衣類やサポーターなどで保護しましょう。また、剥がした後、少なくても4週間は貼付した部位を日光にさらさないようにしてください。

 

〈参考資料〉
モーラスパップ30mg | 添付文書 (pmda.go.jp)
オムニードケトプロフェンパップ | 帝國製薬グループ テイコクファルマケア株式会社