市販薬で買えるヒルドイドを紹介!ヘパリン類似物質が美容に良いかも解説
ヒルドイドは美容にも効果があるって聞いたけど、詳しく知りたい。
病院では美容目的でヒルドイドを処方してもらえないって聞いた。市販で購入できるの?
ヒルドイドは肌に対して、保湿効果以外にもさまざまな効果があり、美容にも良いとされています。しかし、処方せん医薬品のため、病院では美容目的で処方してもらうことはできません。
そこで、ヒルドイドの有効成分である「ヘパリン類似物質」を含む市販薬などを解説します。この記事を読めば、ヘパリン類似物質の肌への効果が理解できるだけではなく、市販薬で販売されているものの特徴を知り、選べるようになります。ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
ヒルドイドとは?有効成分のヘパリン類似物質を解説
処方せん医薬品として使用される目的、効果など詳しく解説していきます。
ヒルドイドは医薬品
ヒルドイドとは主成分としてヘパリン類似物質を含み、国が指定する処方せん医薬品です。医師の診断のもと使用される薬です。
ヒルドイドはどんな症状に使用するの?
乾燥肌に対する治療としては「皮脂欠乏症」という病名に使用されています。その他には血流改善、抗炎症効果などから関節炎、筋肉痛、腱鞘炎、血腫などの治療にも使用されます。
ヒルドイドの肌に対する効果は?
ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質は、保水効果とバリア機能の改善効果が確認されています。角質層の水分含量の増加や、角質層のバリア機能を改善させることで皮脂の低下によっておこっている乾燥状態を改善させてくれるのです。
一時的な肌への保水作用だけでなく、長期的にみたバリア機能を改善してくれることが特徴で、保湿剤として注目されるポイントです。
ヘパリン類似物質の注意点
血液が固まるのを抑える働きは、使用するうえで注意が必要です。病気や治療で血が固まりにくくなっている方はとくに、病気の悪化などの可能性もあります。
ヘパリン類似物質を含有しているものを傷口などに使用してしまうことで、血が固まるのを妨げてしまい、傷の治りが遅くなってしまいます。
使用してもいいか迷う方は、薬局やドラッグストアの薬剤師や主治医の先生に相談してから使用するようにしてくださいね。
ヒルドイドを美容目的で医師に処方してもらうことはNG
処方せん医薬品とは、病気やけが等に対して保険給付される医薬品です。「美容」は「病気」「けが」とは区別されます。美容目的で薬を処方してもらうことはNGです。
ヒルドイドは「美容効果が高い」「保険を利用することで費用が抑えられる」等の内容がSNSで話題になりました。SNSをきっかけに、ヒルドイドの処方が増えてしまい、美容目的で保険を利用することが問題となったのです。現在では美容目的での処方を控えるように、メーカー、関連学会などから医師に対しても注意がされています。
参考リンク:医療用ヘパリン類似物質製剤の美容目的処方等に関連する問題について(第三報) 日本皮膚科学会
もちろん、きちんと乾燥肌など病気の治療であれば保険を利用することは問題ありません。また、保険を使用するのではなく、自費でヒルドイドを購入できる病院もあります。
セルフケアであれば、市販でもヘパリン類似物質を含む市販薬は購入できます。これから紹介する市販薬をぜひ参考にしてくださいね。
市販薬でヘパリン類似物質は購入できる!
ヘパリン類似物質を含む市販薬も軟膏、クリーム、乳液、ローション、フォームがあります。ヒルドイドと同じ効果を期待するのであれば、ヘパリン類似物質の濃度は0.3%です。濃度にも注意してみましょうね。
軟膏
市販薬:ヒルマイルドクリーム 処方薬:ヒルドイドソフト軟膏
軟膏は油性ベースなので「しっとり」としたテクスチャーのタイプです。油性分が皮膚の表面に油膜をつくり、保護作用が強い特徴を持ちます。ただ、べたつきや伸びが悪いと感じる方が多いタイプです。
クリーム
市販薬:ピアソンHPクリーム 処方薬:ヒルドイドクリーム
テクスチャー、皮膚を保護する作用などが軟膏、ローションの中間です。べたつきも油性クリーム(軟膏)よりも少なく、バランスのとれたタイプとなっています。
ローション
市販薬:ヒルマイルドローション(乳液) 処方薬:ヒルドイドローション(乳液)
市販薬:ピアソンHPローション(ローション) 処方薬:ビーソフテンローション(ローション)
ローションはさらに2種類のタイプに分かれます。「乳液タイプ」「ローションタイプ」です。「乳液タイプ」はミルク状のやわらかい液体タイプです。「ローションタイプ」は、かなりさっぱりした液体タイプとなっています。
乾燥部位が広い範囲の場合なども、延びの良さから使いやすいタイプです。皮膚を保護する作用は油性クリーム、水性クリームよりは若干劣ります。
フォーム
市販薬:ナチュラブルプラス ヘパフォーム 処方薬:ヒルドイドフォーム
泡状スプレーと呼ばれることもあります。泡状の保湿剤が出てくるため、ローションと同様に延びが良く、液だれがないタイプです。
痒み止め配合、ヘパリン類似物質含有の市販薬
市販薬:ヘパソフトプラス 処方薬:なし
ヘパリン類似物質以外に痒みを止めるジフェンヒドラミンやクロタミトンを配合しています。
ヘパソフトプラスのような痒み止めを配合した薬は、長期で使用するのではなく、痒みの症状が治まったら使用を中止するようにしてくださいね。乾燥肌などの症状の予防、軽度の症状にセルフケアとして使用する際には、ヘパリン類似物質を単独での使用をおすすめします。
ヘパリン類似物質配合の医薬部外品を紹介
ここまで市販薬を紹介してきました。現状は乾燥肌の症状はなく「興味があるから使ってみたい」「医薬品を使用するのは抵抗がある」という方もいるのではないでしょうか。現在は医薬部外品でもヘパリン類似物質を含むものが販売されていますので紹介します。
医薬部外品、医薬品の違いに関して詳しくはこちらのコラムをご参照ください。
Carté(カルテ)ヒルドイド
主成分としてヘパリン類似物質とグリチルリチン酸ジカリウムを含む製品です。ヒルドイドを製造しているマルホ株式会社と株式会社コーセーが、コーセーマルホファーマ株式会社を設立し、誕生したのが「Carté(カルテ)ヒルドイド」です。
グリチルリチン酸ジカリウムが肌荒れを予防する化粧品成分として配合されています。
化粧水、乳液、クリームが展開されています。
ヘパリン類似物質を含む保湿剤の使用方法
保湿剤は乾燥したときだけではなく、毎日続けることも重要です。ここで使用方法のポイントを3つ解説します。
● お風呂上がりの保湿
● 使用量の目安
● 軟膏やローションをタイミングで使い分ける
詳しく解説します。
お風呂上がりの保湿
夜の保湿は、お風呂上がりが重要です。お風呂上がりは、洗浄によって汚れと一緒に体の皮脂も落ちているため、乾燥が悪化してしまいます。しっかりとヘパリン類似物質含有の保湿剤を使用することで、効果を最大限引き出せるのです。
本来は、1日の使用回数は「朝晩」の2回が効果的です。なかなか朝は忙しくて使用できないという方が多いと思います。最低限、お風呂上がりの保湿を意識してくださいね。
使用量の目安は
使用量も意識してほしいポイントです。少なすぎると本来の保湿効果が得られません。節約しすぎには注意しましょうね。
量の目安は2つです。
● 両手のひらに対して、目安量0.5g
軟膏・クリーム:人差し指の第一関節まで
ローション:1円玉くらいの大きさ
● 塗った後の肌の状態は、肌がテカる程度、またティッシュが付く程度
少し塗りすぎた方という程度がよいでしょう。
<両手のひらに対する使用量の目安>
軟膏やローションをタイミングで使い分ける
ヘパリン類似物質を含む市販薬は軟膏・クリーム・ローションなどいろいろなものがあると紹介しました。使用するタイミングで使いやすいものを選び、使い分けるのがポイントです。
たとえば、
● 忙しい朝にはローション、ゆっくりと塗れる夜には軟膏タイプ
● 子どもの全身に使用するときはフォーム
など選んでみてくださいね。
まとめ
ヘパリン類似物質の効能としては乾燥肌の治療から、肌の状態を健やかに保つためにも良い成分となっています。また、ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質は市販薬から医薬部外品まで販売されています。自分にあった使いやすいものを選ぶようにしましょう。
市販薬でセルフケアする中で、肌の状態がいつもと違う、悪化していると感じるときには医師への相談を忘れないでくださいね。
<参考資料>
・株式会社マルホ 保湿剤の使い方
・健栄製薬【医師監修】ヘパリン類似物質油性クリームとは? 気になる効果と副作用について
・ヒルドイドの適正使用に関するお知らせ
・「保湿剤の至適外用方法の検討 」中村光裕ら:皮膚の科学,5(4),311(2006)抄録
・ヒルマイルドクリーム・ヒルマイルドローション
・ピアソンHPローション・ピアソンHPクリーム
・ヘパフォーム
・ヘパソフトプラス
・Carté(カルテ)ヒルドイド