吊るして使う殺虫剤バポナの使い方は?ほかの商品との違いも解説
気温が高くなり、湿気の高い日が増えてくると需要が高まるバポナ。吊り下げておくだけでハエや蚊、ゴキブリを殺虫してくれるため、飲食店やマンションで使用されている方が多くいます。
しかしバポナは、正しい使い方をしなければ思わぬ副作用が出る可能性もあるため、取り扱い方には注意が必要です。今回はバポナを安全に使用するための正しい使い方について詳しく紹介します。
ほかのバポナ商品との違いも解説しているので、どのバポナを購入するべきか迷っている方も参考にしてみてください。
バポナとは?
バポナとは、主成分としてジクロルボスが配合された吊り下げ型の殺虫剤のことで、主にハエ、蚊、およびゴキブリを駆除するのに使われるものです。「バポナ 殺虫プレート」という商品名で販売されています。
2012年までは主成分のジクロルボスが劇薬指定だったため、要指導医薬品に分類されていました。そのため、使用する本人限定で1人1つまでしか購入できませんでしたが、現在は第1類医薬品へと変更になっているため複数個の購入も可能です。また、薬局だけでなくインターネットでも購入できます。
バポナ 殺虫プレートの種類
商品名 | 使用の目安 | 効果の持続期間 |
バポナ 殺虫プレート | 6~8畳に1枚 | 2~3か月 |
バポナ ハーフ 殺虫プレート | 3~4畳に1枚 | 2~3か月 |
バポナ ミニ 殺虫プレート | 1~1.5畳に1枚 | 2~3か月 |
バポナには3つの種類がありますが、どれも殺虫効果に違いはありません。違うのは、殺虫効果が期待できる面積です。使用する場所の広さに合わせて適切なものを選んでください。
バポナ 殺虫プレートについて
では、バポナの正しい使い方や注意点、副作用などについて見ていきましょう。
使用の想定場所
バポナは、種類によって使用想定場所がやや異なります。サイズによって想定されている使用場所が異なるため、適切なものを選ぶことが大切です。
〈バポナ 殺虫プレート〉
• 以下の場所のうち、人が長時間留まらない区域:
店舗、ホテル、旅館、工場、倉庫、畜舎、テント、地下室
• 便所
• 下水槽、浄化槽など
• ごみ箱、厨芥箱など
• 戸棚、キャビネットなど
〈バポナ ハーフ 殺虫プレート〉
• 以下の場所のうち、人が長時間留まらない区域:
店舗、ホテル、旅館、工場、倉庫、畜舎、テント、地下室
• 便所
• 下水槽、浄化槽など
• ごみ箱、厨芥箱など
• 戸棚、キャビネットなど
〈バポナ ミニ 殺虫プレート〉
• 以下の場所のうち、人が長時間留まらない区域:
倉庫、畜舎、地下室
• 便所
• 下水槽、浄化槽など
• ごみ箱、厨芥箱など
• 戸棚、キャビネットなど
使用上の注意事項
〈使用上の注意〉
バポナは、次のような場所では使用できません。
• 居室(客室、事務室、教室、病室を含む)、居室にある戸棚・キャビネット内
• 飲食する場所及び飲食物が露出している場所(食品倉庫など)
人がいる場所や飲食物を置いている場所では使用しないでください。バポナが使用できるのは人がいない場所、なおかつ飲食物を置いていない場所に限られます。食品倉庫のほか、食堂や調理場にも使用できません。
〈保管上の注意〉
未開封の状態で保管する場合は、直射日光が当たらない場所で保管してください。また、保管時も食品や食器などと同じ場所に置くのは避けます。子供やペットがイタズラをしないよう、手が届かない所に保管することも大切です。
〈取り扱い上の注意〉
複数のバポナを一度に使用する場合は、間隔を3m以上あけて吊してください。開封後の有効期間は2~3か月です。期間が過ぎたものは、市区町村の決まりに従って破棄してください。
副作用について
次のような症状が出たら、副作用が起きている可能性があります。
• 頭痛
• めまい
• 腹痛
• 下痢
• 吐き気
• 嘔吐
• 全身のだるさ
• 多汗
バポナの主成分であるジクロルボスは、直接吸い込むことはもちろん口から入ったり皮膚から吸収されたりすることでも中毒症状を起こす可能性がある成分です。
このような症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。その際にバポナの外箱を持っていくか、有機リン系の殺虫剤を使用していることを伝えると治療がスムーズになります。
「バポナ」の名前が入ったその他の商品との違い
バポナを販売しているアース製薬からは、「バポナ 殺虫プレート」のシリーズ以外にも「バポナ」と名前が入っている商品がいくつか出されているのをご存知でしょうか。
どれを購入したらよいのか、どういう違いがあるのか迷ってしまう方もいるかもしれません。「バポナ 殺虫プレート」はハエや蚊、ゴキブリを駆除するものですが、ほかの商品は少し違いがあります。
アース虫よけネットEX
以前は「バポナ 虫よけネットW」という名前で販売されていました。現在は「アース虫よけネットEX」に商品名が変わり、吊すタイプの虫よけ剤として販売されています。
「バポナ 殺虫プレート」のように虫を殺す効果はなく、虫が近寄らないようにするための商品です。ユスリカ、チョウバエ、キノコバエ、ヌカカに対して虫よけの効果があります。
一つ注意したいのは、吸血する蚊には効かないということです。対象となる虫の種類をよく確認して購入しましょう。
バポナうじ殺しスティックS粒剤
うじやボウフラに対して効果がある殺虫剤です。そのまま気になるところに撒くだけで簡単に駆除できます。
バポナうじ殺し(液剤)
こちらも、うじとボウフラのみを対象とした殺虫剤です。そのまま、もしくは希釈して気になる場所に散布してください。
まとめ
吊して使うタイプのバポナ(バポナ 殺虫プレートのシリーズ)は、ハエや蚊、ゴキブリを駆除できる便利なアイテムです。飲食店やマンションなどで広く利用されています。
しかし、人が使う部屋や飲食物がある空間には使用できないので注意してください。誤った使い方をすると中毒症状を起こすこともあるため、しっかりと使い方を確認することが大切です。
ほかにも「バポナ」と名前がつく商品はいくつかありますが、いずれも「バポナ 殺虫プレート」とは対象となる害虫が異なります。虫を駆除したいのか、それとも近付かないようにしたいのか、どのような虫に困っているのかに合わせて適切な商品を選びましょう。