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お薬コラム
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更新日:2024/08/15

日焼け後の肌ケアに有効な保湿剤や飲み薬は?有効成分を基にオススメ製品をお伝えします!

日焼けをしたことで肌が黒くなってしまった。

それだけでもショックを受ける人もいらっしゃると思いますが、その後シミやソバカスができた際のショックはさらに大きいですよね。

 

また、シミなどはできなくても、日焼け後の肌ケアを怠ると肌荒れが起き、お化粧のノリが悪くなったり、かぶれが出たりもします。

日焼け後の肌ケアは非常に大切なものですが、いざケア用品を買おうと思っても医薬品だけじゃなく、化粧水からサプリメントまで幅広い製品があるので迷いますよね。

 

このコラムでは日焼け後の肌ケアについて、有効成分を踏まえオススメの製品をご紹介させていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

日焼け後の皮膚の状態とは?

日焼け直後の皮膚は、紫外線によりダメージを受け、炎症を起こしている状態です。
第一に、その炎症を悪化させないために冷やすなどの対応を取る必要があります。
日焼けによる赤みやひりひり感があるときは、まずはそちらの治療を優先しましょう。
日焼け後の対応、また治療に使われる市販の塗り薬についてはこちらのコラムをご参照ください。

そして、炎症の有無や強さに関わらず、日焼けを起こした皮膚は、角質から水分が失われ、乾燥している状態です。
そのため、乾燥した皮膚からダメージを重ねないためにも、しっかりと保湿する必要があります。

また、最初の赤みのある日焼け(サンバーン)が終わると、皮膚が茶色に変化していく日焼け(サンタン)が起こりますが、ケアをせず放置しておくとシミやソバカスなどの生成に繋がってしまいます。
そういった色素沈着を防ぐためにはビタミンCやLーシステインを配合した内服薬が有効であると言われています。

 

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保湿剤の種類・おすすめ製品

市販で購入できる保湿剤は、大きく分けると医薬品と化粧水の2種類があります。

これらは主に目的や有効成分の有無によって分類されていますが、一概に医薬品の方が保湿力が高く、化粧水では低いとは言い切れません。

国による審査の基準が異なることで、医薬品の方がより安心して使えるというメリットはありますが、その分高価で、含有されている成分も限られています。
それに対して、化粧水は安価なものから高価なものまで、中に含まれる成分も含め、幅広い種類から選択することができます。

また、化粧水の中でも、厚労省で承認された有効成分を含むことで、ニキビや肌荒れなど特定の症状に対して効果が認められた薬用化粧水(医薬部外品)も存在します。

医薬品・医薬部外品・化粧品の違いはこちらのコラムもご参照ください。

化粧水(薬用化粧水)から選ぶ

さまざまな製品があり、美白効果や肌荒れ・炎症を抑える作用のある成分が配合されているものなどがあります。
こちらでは有効成分を含む、薬用化粧水(医薬部外品)からオススメの製品を紹介させていただきます。

 

IHADA 薬用ローション

有効成分:アラントイン、グリチルリチン酸
特徴化粧品で有名な資生堂から販売されているIHADAシリーズの薬用ローションです。
皮膚の修復を促すアラントインと炎症を抑えるグリチルリチン酸が日焼けによる炎症の回復をサポートします。
スキンケア商品などのノウハウを活かしており、敏感になった日焼け後の皮膚でも安心して用いることができるでしょう。

 

アンティセプティック全身薬用ローション

有効成分:dl−カンフル、安息香酸
特徴:鎮痛や消炎作用のあるカンフルと、殺菌作用のある安息香酸を有効成分として含むことで、日焼け後の皮膚の火照りを抑え、皮膚症状の悪化を防ぎます。
ハッカ油、ユーカリ油、チョウジ油、オイゲノールといった天然油が配合されており、かなり清涼感のあるローションですので、日焼け以外にも汗をかいてベタついた皮膚や髭剃り後などにもおすすめです。
また、安息香酸の殺菌作用によりニキビ予防にも効果的ですよ。

医薬品から選ぶ

医薬品として販売されている保湿剤として代表的な「ヘパリン類似物質」「ワセリン」をご紹介させていただきます。
これらを主成分とするもので医薬部外品や化粧品の分類として販売されているものもありますが、有効成分の含有量や精製度が明らかになっていないこともあるため、気になる方は医薬品として販売されているものから選ぶことをオススメします。

市販薬の有効成分

ヘパリン類似物質


ヘパリン類似物質は皮膚の角質層まで行き届くため、内部からしっかり保湿できます。
また、穏やかな抗炎症作用もあるため、日焼け後の炎症を抑える効果も期待できます。
しかし、その一方で血行を促進する作用があるため、日焼けの状態によってはヒリヒリ感が悪化する可能性もあるので、注意が必要です。

ヘパリン類似物質に関して、もっと詳しく知りたい方はこちらのコラムもご参照ください。

 

ワセリン


ワセリンは皮膚の表面に油分の膜を作り、内側からの水分の蒸発を抑えることで乾燥させないようにします。
皮膚刺激が少なく、安価で手に入れることができるのが特徴で、精製度が高い順にプロペト>白色ワセリン>黄色ワセリンと分類されています。
精製度が高い方が効き目が高いわけではありませんが、不純物によってアレルギー反応を起こす可能性もゼロではないため、赤ちゃんや敏感肌の方は純度が高いものを意識すると良いでしょう。

ワセリンに関して、もっと詳しく知りたい方はこちらのコラムもご参照ください。

おすすめ市販薬

HPローション

有効成分:ヘパリン類似物質
特徴:海外の製薬メーカー、グラクソスミスクラインが手がけるヘパリン類似物質含有のローション。
ローションタイプなので伸びが良く、軟膏タイプに比べて広範囲へ塗布しやすいのがメリットです。
アルコールフリーであるため、皮膚への刺激が少なく、日焼け後の皮膚にもオススメです。

 

プロペト ピュアベール

有効成分:プロペト
特徴:医療用医薬品であるプロペトと同一成分であり、製造も医療用と同じ製薬会社が行なっているため、安心して使用できます。
純度が高いワセリンであるため、日焼け後の皮膚はもちろんのこと、唇の荒れやマスクかぶれ、赤ちゃんの肌荒れなど、幅広く使用することができます。

日焼け後の色素沈着に有効な飲み薬

日焼けによる色素沈着に有効な成分として、代表的なものに「ビタミンC」「Lーシステイン」が挙げられるでしょう。
こちらも保湿剤と同じように、医薬品に分類されるものの他に、指定医薬部外品、サプリメントとして販売されているものもあり、その他に含まれる有効成分や製品自体の目的・製造承認される審査の過程が異なります。
サプリメントはそもそも食品に分類され、明確な効果や安全性が保証されていないこともあり、こちらでは医薬品に限ってご紹介させていただきますが、決してサプリメントが医薬品に対して効果が低いとは言い切れません。

医薬品・指定医薬部外品・サプリメントの違いや、サプリメントの選び方などについては、こちらのコラムもご参照ください。

有効成分

ビタミンC
メラニンの生成を抑制する作用と、すでに蓄積したメラニンの色素を元に戻す(還元)する作用があり、日焼けの予防、また日焼け後の皮膚にとって良いとされています。

Lーシステイン
必須アミノ酸の1つで、メラニンを作る酵素を阻害したり、皮膚の新陳代謝、ターンオーバーを促進したりすることで、メラニンの排出をサポートします。

おすすめ市販薬

ハイチオールCプラス2

有効成分:ビタミンC、Lーシステイン、パントテン酸
特徴:エスエス製薬が昔から手がけているシリーズで、一緒にパントテン酸が含まれているのが特徴です。
パントテン酸は直接メラニンに対して作用したりする力はありませんが、ビタミンCの吸収を高める働きがあるため、一緒に服用することで効果の上昇が期待されます。

 

トランシーノ ホワイトCクリア

有効成分:アスコルビン酸(ビタミンC)、L-システイン、コハク酸d-α-トコフェロール (天然型ビタミンE)、リボフラビン (ビタミンB2)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、ニコチン酸アミド(ビタミンB3)
特徴:ビタミンC以外にビタミンB2・B6にもターンオーバーを促進する効果があり、さらにビタミンEの血行促進作用も加わることで、全体でメラニンの排出をサポートする設計です。
同じシリーズであるトランシーノⅡは、トラネキサム酸を含む、唯一の肝斑治療薬として販売されています。
日焼け後だいぶ経過し、治りにくいシミ、肝斑となってしまった場合はこちらもおすすめです。

まとめ

日焼け後の皮膚のケアに対して有効な保湿剤・飲み薬についてお伝えさせていただきました。

日焼け後の皮膚の色素沈着は放置しておかず、しっかりケアをすることで症状を抑えることが可能です。
その際に効果があるとされる保湿剤や飲み薬は、化粧水・サプリメントから医薬品まで幅広く販売されています。
医薬品は有効成分や製造過程において、厚労省の厳しい審査があるため、安全性や有効性については安心して使用できるでしょう。

しかしながら、一概に化粧水やサプリメントであれば効果が低いとも言い切れませんので、有効成分やその働きを理解しつつ、ご自身の肌に合うものを探してもらえればと思います。

このコラムが日焼け後の肌ケアについてお困りのあなたにとって、お役に立てれば幸いです。